こんにちは!営業の竹内です。

最近のお打合せの中で「親子間でローンを組みたい」とご相談をされるお客様が増えております。

 

今回は親子間ローンについて詳しくご案内します。

1.親子間ローン(親子間の金銭貸借)って何?

2.親子間ローン(親子間の金銭貸借)で必要な要件は?作成に関する注意点は?

3.月々の返済で注意することは?

4.親子間ローン(親子間の金銭貸借)の書類作成を怠ると贈与税の対象になる?

5.まとめ

 

1.親子間ローン(親子間の金銭貸借)って何?

親子間ローンとは親子間で金銭貸借契約を行うことを指します。

親子間等の金銭貸借(親と子、祖父母と孫、夫と妻などの特殊な間柄のある人相互間で行われる金銭の貸借)は、貸借の期間や利率が定められます。

 

住宅ローンを組む場合、金銭消費貸借契約書が作成され返済期日や返済方法や利率が定められて、この契約に基づいて返済が行われていることが通常です。

 

親族間での金銭の貸借が贈与と認定されないためには、第三者間での金銭貸借契約の取り扱いに準じて以下のような書類や条件を備え、

実際に金銭の貸借であることを証明できるようにしておく必要があります。

 

 

2.親子間ローン(親子間の金銭貸借契約)で必要な要件は?

金銭貸借契約書を作成するにあたって下記の内容を書面に明記する必要があります。

・貸し手の氏名

 

・借り手の氏名

 

・貸付額

→実際に返済ができる範囲の金額を明記します。年収や自己資金から考えて無理のある貸付金額を設定してしまうと貸主の資力、生活状態、資金源泉、および借主の返済能力、返済事実、利息の支払等の状況を総合的に判断して、金銭の貸借か贈与かの事実認定が行われ、事実認定が出来ない場合は贈与税の対象となります。

 

・支払期間

→返済期間は、親の年齢を考慮した常識的な範囲内での期間を設定します。

返済終了期間が平均寿命をはるかに超え通常では生存していない年齢になっているような場合には、最初から返済する意思がないものと解釈されてしまいますので注意が必要です。

 

・毎月の支払い金額

→返済は現金の持参払いよりも記録の残る銀行口座への振込みの方が返済事実を第三者へ証明する証拠として優れています。

やむをえない理由により、現金の持参払いで返済をする場合には、その都度、領収書を発行して証明できる書類を残しましょう。

 

・金利

→親族間の金銭の移動が贈与ではなく金銭の貸借であると認定されても、親族間の馴れ合いから無利息で金銭の貸付がなされている場合には、利息相当額の利益を受けたことになり、その利益相当額は贈与により取得したものとみなして贈与税が課税されます。ただし、その利益を受ける金額が小額である場合や課税上弊害がないと認められる場合には、強いて贈与税を課税しなくても差し支えないことになっています。

 

・両名の署名押印

 

・期限の利益の損失

→支払いが遅れた場合、貸し手が残額を一括で請求できるようになる(借り手が分割払いの権利を失う)ことを指します。

 

・遅延損害金

→金銭債務の不履行の場合に、期限が経過したことによって債権者に対して債務者が損害賠償として法律上当然に支払わなければならない金銭をいいます。

 

【書類作成にあたっての注意点】

印紙が無くても契約書自体は有効なのですが、贈与でない証明をする際に印紙が貼られていないと贈与税を支払う必要が出るかもしれません。

契約書には印紙を貼り、双方の記名押印・印紙部分への割り印等、通常の契約と同じ手順を取っておくことをお勧めします。

 

 

3.親子間ローンの返済で注意することは?

前項でも書きましたが、銀行振り込みで証明できるようにしましょう。

親子間ローン支払い専用の通帳を作り毎月一定の額を支払っているのが分かるようにすると、おすすめです。

 

 

4.親子間ローン(親子間の金銭貸借)の書類作成を怠ると贈与税の対象になる?

貸主の資力、生活状態、資金源泉、および借主の返済能力、返済事実、利息の支払等の状況を総合的に判断して、金銭の貸借か贈与かの事実認定が行われます。

実質的に贈与と認定されると贈与税が課税されることになります。

 

5.まとめ

親子間の金銭貸借は書類をきちんと作成しておくことと、書面で支払いを契約書通りに行っていることを証明できることが重要となります。

返済も契約書通りに行われていることが明確に分かるように整理しておき、事実確認を求められた時にも明確に分かるようにしておけば

書類の不備や不適合部分を指摘されにくくなります。

書類の不備や不正・不適合があると贈与税が追徴される可能性があります。詳しくは税理士さんに相談されることをおすすめします。