こんにちは。大高です。

2月からリフォームをさせていただいたお客様のお宅が、いよいよ完成間近なりました。

今回のお宅は、以前は店舗として使われていた場所を『茶室』に大改造したのでご紹介します。

 

構造が重量鉄骨だったこの建物は、1階の天井高も高かったので、一段上げてお座敷を作ってもまだ余裕の天井高。

「純和風ではないけれど、その分あれこれアレンジも効くし、好きな絵手紙なんかをお友達と集まって

書いてもらうのにもちょうどいいかも。」とお施主様も大喜びしてくださいました。

重量鉄骨の特徴である「柱型」がある茶室です。

 

本来は、掛け軸を飾るところですが、窓があるので、色紙で代用されています。

ちなみに、この書もご自身でしたためられました。 書かれてた文字について教えていただくと、

『わけい-せいじゃく【和敬清寂】
茶道で、主人と客が互いの心を和らげてつつしみ敬い、茶室の品々や雰囲気を清浄な状態に保つこと。

千利休の茶道の精神・境地を表した語。

▽「和」「敬」はともに主客の心得を、「清」「寂」は茶庭・茶室・茶器などに関する心得をいう。』

のだそうです。

 

数日前までは、大工さんが入って、大きな音が響き渡っていた現場に、品格が宿りました。

お母様のお話を伺っているだけで、背筋を伸ばし姿勢を正したくなってきます。

 

ちなみに炉(ろ)は現代的な電気式を採用しました。

ただし、この炉を使うのは11月から4月中旬頃の寒い季節のみ。

5月からは、畳の上でお茶を沸かす「風炉」に切り替わるそうです。

先人はそんな風に季節を楽しんでこられたんですね。 そういう感性を磨かなくては・・・。

 

御施主様も、実際にお茶をたてることを心待ちになさっていました。

茶道は習ったことがありませんが、こういう文化は大切にしなくてはいけません。

大変勉強になった現場でした。