建物の骨組みに鉄骨を使用して建てる住宅のことを「鉄骨造住宅」といいます。
鉄骨造住宅には大きく分けると「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」の2種類があります。
では、それぞれにどのような違いがあり、それによって間取りの自由度にどのような差が生じるのかをまとめました。

 

「重量鉄骨」と「軽量鉄骨」の違いを知ろう!

まず、重量鉄骨造と軽量鉄骨造の構造上の違いについてご説明します。
「重量」と「軽量」という言葉からもわかるように、両者の決定的な違いは、建物の骨組みとなる鉄骨の頑丈さです。
具体的な数値で示すと、下記のような違いがあります。

■鉄骨の骨組みの肉厚が6mm未満の建物 → 軽量鉄骨造(画像左)

■鉄骨の骨組みの肉厚が6mm以上の建物 → 重量鉄骨造(画像右)

上記のように、軽量鉄骨住宅は骨組みの肉厚が6mm未満と定められていますが、実際に大手ハウスメーカーの軽量鉄骨住宅で使われている柱は3.2~4.5 mmが一般的です。

また、大手ハウスメーカーで重量鉄骨住宅として建てられている家も、鉄骨の肉厚がギリギリで6mm以上の場合があります。
それでは軽量鉄骨造とほぼ変わりません。

骨組みの鉄骨が薄いことは、それだけ耐震性も低いということを示します。
つまり、耐震性にすぐれた家を建てるには、やはり骨組みの鉄骨自体の強度が肝心なのです。
中村建設の重量鉄骨造住宅では、骨組みに肉厚9~12mmの鉄骨を採用しています。
そのため柱の大きさは200mm~300mmの大きさなので、柱間を最大9mまで飛ばすことが可能です。

ただし、骨組みの鉄骨を肉厚にすると建物が重くなるため、基礎も頑丈につくる必要があります。
そのため、 軽量鉄骨と重量鉄骨では基礎にも大きな違いが出ます。

重量鉄骨造では、木造や軽量鉄骨造の基礎の倍に至る深さまでコンクリートを打っています。基礎が頑丈な建物は、地震の揺れに耐える力が働きます。

また、地盤が軟弱で地盤補強が必要な場合には、支持層と呼ばれる堅い地層まで地盤補強を行います。
そして、地盤補強を柱の真下部分に施工して建物を支えることで、地震から建物を守ります。
さらに、基礎の内部も径の太い鉄筋で配筋し、見えない部分も頑丈につくっています。

次に、構造上の違いをみてみましょう。

まず、この軽量鉄骨造の構造に使われている鉄骨の柱は100×100mmで、厚みは3.2㎜が多いです。また、ピッチ(柱と柱の間)が1800mmです。

柱が軽量だと、骨組みを細かくしなければ建物の強度を得られません。
鉄骨の柱が細いので筋交いを施す必要もあり、木造住宅と造りが変わらない印象を受けます。
また、肉厚が薄いため、太陽の熱で柱が変形することもあります。

耐用年数も重量鉄骨より短く、骨格材の肉厚が3mm以下の場合は19年間、骨格材肉厚が3mm以上4mm未満の場合には27年間となります。

一方、重量鉄骨は1つ1つの骨組みが厚くて頑丈なため、軽量鉄骨造や木造住宅などと比べて柱の本数が少なくて済みます。
また、耐用年数は34年で、耐震性とともに耐久性にもすぐれています。

構造の違いが間取りにもたらす影響

1でご説明した構造上の違いを踏まえて、今度はそれらが間取りにどのような影響をもたらすのかについてご説明します。

軽量鉄骨造の住宅は、鉄骨が細いので室内には柱型が突出しません。
そのため、建物の内部は木造と同様に凹凸がなく、すっきりとした空間をつくれます。
また、構造費を抑えることができるため、その分を内装などにお金をかけることもできます。
一方、柱が細いために大空間をつくることができず、空間を仕切る必要があります。

一方、重量鉄骨は柱が大きくて肉厚なため、室内の四隅に柱型が突出してしまいます。
しかし、骨組みが丈夫なので柱と柱の間を広く取ることができ、大空間・大開口などの自由度の高い空間をデザインすることが可能です。
また、間取りの工夫次第で、柱型を収納の中に隠したり、外部の袖壁の中に隠したりすることもできます。
その結果、建築可能な間取りパターンが増え、各部屋を制約なく広々と確保でき、自由で個性あふれる形状の空間も叶います。

まとめ

結果的に、軽量鉄骨造と重量鉄骨造を比べると、次のようなことが言えます。

① 軽量鉄骨は構造に用いる鉄骨が肉厚ではないので、柱がたくさん必要になる。
そのため大空間・大開口の家を建てるのは難しく、重量鉄骨よりも間取りの自由度が低い

② 重量鉄骨は構造に用いる鉄骨が肉厚なので、大空間・大開口の空間を実現でき、間取りの自由度が高い。

こうした理由から、以下のような建物を希望する場合は重量鉄骨住宅が断然おすすめです。

・1階に駐車場や店舗、事務所、工場などを設けたい場合
・市街地に3階建て以上の住宅を建てたい場合
・広いベランダや大開口のある開放的な住宅を建てたい場合
・オリジナリティの高い個性的なフォルムや間取りの家を建てたい場合
・変形地や狭小地を有効利用した家を建てたい場合
・地震や水害に強く安心・安全な家を建てたい場合

中村建設では、お客様のこうしたさまざまなご要望にお応えし、重量鉄骨造のメリットをフルに活かして理想の住まいをご提案します。
どうぞお気軽にご相談ください。

 

Writer>>>中村建設(株)住宅事業部 家づくりアドバイザー 中村真由美

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