重量鉄骨造の家は、木造や軽量鉄骨造に比べて耐震性が優れていますが、防音性も高くすることができます。
しかし、市街地や幹線道路沿いに家を建てる場合など、より防音性が求められる場合にはどんな対策が可能でしょうか。外壁と屋根の遮音による防音についてまとめました。

防音性の高い外壁素材とは?

重量鉄骨造の家には、外壁にサイディングを使う場合が多いですが、より防音性を求めるとすれば「ALC」が適しています。

ALCは、気泡の入った珪石(ケイ酸質の鉱物や岩石)からできた外壁材で、防音性だけでなく、断熱性、耐火性に抜群に優れた高性能建材です。
一般のコンクリートに比べると、重さは約4分の1。コンクリート製品であるにもかかわらず、水に浮く軽さです。

さらに、パネルの内部には縦横に張り巡らしたワイヤーメッシュを全面に渡って配置。
そのため、素材自体の強さがいっそう高まり、外壁材として十分な強度を維持し、台風などの災害にも万全で、JIS規格値と比較しても3倍程度の安全率を誇ります。

サイディングとALCの比較

次に、ALCの性能をサイディングと比較してみましょう。

まず、素材自体の厚みを比較すると、ALCはサイディングの3倍以上の厚みがあるため、耐火性能や断熱性能もその分優れていることになります。

ちなみに、断熱性能をあらわす際には、基本的に「熱伝導率」を用います。
熱伝導率とは、熱の伝わりやすさを示す単位のことで、数値が大きいほど移動する熱量は大きく、熱が伝わりやすいことになります。
ここで、あらためてサイディングとALCとの熱伝導率を比較してみると、サイディングの熱伝導率が0.26なのに対して、ALCは0.17。
つまり、ALCの断熱性能はサイディングの1.5倍にあたります。

さらに、建物の遮音性を示す音響透過損失はサイディングの1.2倍。
つまり、耐火性能や断熱性能に加えて、遮音性能においてもサイディングよりも優れていることがわかります。

ただし、金額(塗装代金を含む)については、ALCはサイディングに比べて㎡単位で約3,000円割高になります。

そのほか、サイディングとALCにはそれぞれ次のようなメリットがあります。

ALCのメリット

コンクリート板と比較すると、防火性、断熱性、遮音性、調湿性、耐久性が高くなり、火災保険料は割安になるなど

サイディングのメリット

高耐候性、デザインバリエーションの豊富さと意匠性の高さ、施工性の良さ、短工期、品質安定性、長期保証など

上記のメリットにも挙げられているように、サイディングはバリエーションが豊富なので、外観のデザイン性にこだわる場合はサイディングがおすすめです。
最近では、割高にはなりますが、フッ素や紫外線をガードするものなど高性能なコーティング材も用意されており、ほとんどのお客様がサイディングを選ばれます。

ALCのデメリットとその対策

前項で取り上げたように、ALCは防音性以外にもさまざまなメリットがあり、非常に性能に優れていますが、デメリットもあります。

それは、素材1枚の幅が60㎝なので建物に継ぎ目が増えてしまい、美観を損ねることです。
しかも、ALC自体は耐久性に優れていても、継ぎ目に使われるコーキングは劣化が予想されます。
最近はコーキングの劣化を防ぐために高品質の塗装が販売されているので、当社が外壁にALCを採用する場合には、それも一緒におすすめしています。

結論的には、重量鉄骨造の家の外壁材には多くの場合サイディングが用いられますが、中心市街地や狭小地、主要幹線道路に面している家など、車の音や騒音、耐火が気になる場合はALCを選ばれる方が多いです。

屋根の防音性を高めるには?

次に、屋根の防音性を高めるには、どのような対策が考えられるでしょうか。
中村建設では、標準仕様として屋根に「ダブル折板(せっぱん)」を採用しています。

まず、「折板(せっぱん)」とは、工場や倉庫などの大型の建物によく見られる金属素材の屋根のことで、大きな波型に成形された鋼板が用いられます。
鋼板がギザギザに折れ曲がっていることで、屋根材そのものの強度が増し、大きくて長い屋根をつくることができます。

しかし、折板屋根は室内にいると雨音が響いて気になる点がデメリットです。

そこで当社では、折板を二重に用い、上下の折板に断熱材をサンドイッチ状にはさみ込む「ダブル折板」を用いています。

屋根をダブル折板にすると、断熱性が格段と高まるだけでなく、遮音性も高まり、もちろん雨音も気にならなくなります。

実際に、当社の重量鉄骨造のモデルハウスでも屋根に「ダブル折板」を採用していますが、市街地の幹線道路沿いでありながら屋外の音が気にならず非常に静かです。ご興味がおありの方はぜひ一度、当社のモデルハウスをご体感ください。

ダブル折板のデメリットとその対策

「ダブル折板」は、強度をはじめ、耐久性、断熱性、そして防音性にも優れ、価格もリーズナブルですが、唯一のデメリットとして挙げられるのが、見た目の印象です。

折板屋根はもともと工場や倉庫で用いられている印象が強く、屋根の断面もギザギザの波状をしているため、屋根部分であまり目立たないとはいうものの、外観のデザイン性を重視する場合には気にされる方もいらっしゃいます。

当社では、その対策として、屋根の側面を隠すカバーをおすすめしています。

 折板カバーを施した外観

折板カバーを施していない外観

カバーは、延床40坪程度の家で約15〜16万円程度かかりますが、波型の側面を隠すことで見映えが良くなります。

まとめ

このように、重量鉄骨造の家の防音性・断熱性をさらに高めるには、
① 外壁材にALCを採用する
② 屋根にダブル折板を採用する
という2点の対策により実現が可能です。

中村建設では、建物の間取りやデザイン性だけでなく、お客様のニーズに応じた性能を備えた住まいをご提供します。
新築やリフォームをお考えの際には、いつでもお気軽にご相談ください。