重量鉄骨の家は、分厚い鋼材を用い、「ラーメン構造」と呼ばれる頑強な構造で大空間を実現します。
しかも、内部は自由設計で、住まう人の思い通りの空間が叶います。
では、頑強な鉄の骨組みで囲われた建物の内部はどのようにつくられるのでしょうか。

重量鉄骨の家の内部を壁で仕切って間取りをつくる「内部下地」についてまとめました。

 

重量鉄骨の家ができるまで 〜工事の流れ〜

重量鉄骨の内部の間取りのつくり方をご説明する前に、まずは家づくりの流れをおさらいしましょう。

① 地盤調査

敷地の地盤調査を行い、建築地の地盤の状況を測定します。

② プランのお打ち合わせと設計

お客様からご要望を詳しくうかがい、綿密な打ち合わせを重ねてプランを設計します。

③ 本契約

プランや設備、素材などの内容にご納得いただけたら、工事請負契約を締結します。

④ 地鎮祭

着工の前に「地鎮祭」を行います。工事期間中は、騒音やトラックの出入りなどでご近所にご迷惑をおかけする場合があるため、挨拶回りも着工前に行います。

⑤ 地盤改良工事・基礎工事

地盤調査の結果に基づき、地盤改良が必要な場合は改良工事を行います。その後、基礎工事を開始。頑強な基礎と地中梁で、骨太な重量鉄骨の家をしっかりと支えます。

⑥ 鉄骨工事

重量鉄骨は厚さ6mm以上の鋼材を用いて「ラーメン構造」の骨組みを築くのが基本ですが、当社では厚さ9〜12mmの鋼材を用い、さらに頑丈な骨組みを形成します。

⑦ 屋根・外壁工事

建物の骨格が出来上がったら、屋根工事と外壁工事を行います。

⑧ 内部下地・床工事

建物の外側の工事が終わったら、今度は内部をつくります。まず、専用の内部下地を用いて空間を壁で仕切り、天井工事と床工事を行います。

⑨ 内装・仕上げ工事

屋内の配線や配管工事を行ってから、内装の仕上げ材を施工し、住宅設備を設置します。

⑩完了検査・お引き渡し

各種検査に合格後、建物をクリーニングした上で、お客様に建物を引き渡します。

上記のような家づくりの工程において、建物の内部を仕切る工程で用いられる「内部下地」について詳しくご説明します。

 

重量鉄骨の家の間取りはどのようにしてつくるの?

重量鉄骨の家は、ラーメン構造によって仕切りのない大空間・大開口を実現できるのが特徴です。構造や屋根・外壁の工事が終わってから、間取りのプランに基づき、大きな空間を壁で仕切って各部屋をつくります。

建物の内部を仕切る壁の下地には、主に「木下地」と「LGS下地」の2種類があり、それぞれに特徴が異なります。
「木下地」の場合は、建物の内部に木の柱を下地材として立てていき、そこに石膏ボードを張って壁をつくります。

一方、LGSとは、Light Gauge Steel(軽量な規格の鋼材)という英語の略語で、日本語では「軽量鉄骨」や「軽鉄」と呼ばれます。建物の内部の壁をつくる際には、LGSを下地材として一定のピッチで立てていき、そこに石膏ボードを張ります。

 

木下地のメリット・デメリット

「木下地」には、次のようなメリットとデメリットがあります。

木下地のメリット

・現場で材の細かい調整や加工が簡単にできる

・後々解体する必要が生じた際も比較的容易にできる

・壁が薄くて済む

 

木下地のデメリット

・木なのでLGSに比べて燃えやすい

・木の反りや曲がり、湿気の変動による割れが生じる可能性がある

・LGSと比べて、工事に手間がかかる

・大工職人の工賃がかかり、費用がかさむ

・シロアリの影響を受ける可能性がある

 

LGS下地のメリット・デメリット

一方、「LGS下地」には次のようなメリットとデメリットがあります。

LGS下地のメリット

・鉄でできているため燃えにくく、耐火性にすぐれている

・鉄は木に比べて変形や狂いがなく、性質が安定している

・木下地に比べて単価が安い

・溶接やコンクリート釘などにより簡単に取り付けられるため、
 木下地に比べて施工性にすぐれ、効率的に仕事ができる

・施工性にすぐれているため、木下地に比べて工賃がかからない

・木に比べて重量が軽く、搬入が容易にできる

・重量が軽いので、床下に対する重量制限を気にする必要もなくなる

・シロアリの影響を受けない

・壁内に電気配線や設備配管を通しやすい

・施工が容易なので、大工工事のような熟練技術を必要としない

LGS下地のデメリット

・現場で細かい調整がしにくい

・LGSを現場でカットする際に火花が飛び散るため、防火対策を徹底する必要がある

・LGS下地専門の職人の手が必要となり、工事の種類が増える

・加工の際の切断する音が大きい

 

 

まとめ

このように、建物の内部を仕切る壁の下地材には、「木下地」と「LGS下地」があります。
両者の大きな違いは、木は燃えやすく、鉄は燃えにくいということで、その違いが壁の性能に大きな影響を及ぼします。
木下地では、耐火性能を求められた際にそれを満たすことが難しい場合もあります。

当社では、耐火性だけでなく、コストパフォーマンスや性質の安定性、施工の効率性など、
さまざまな点から両者を比較した上で、通常は「LGS下地」を採用しています。
もちろんお客様が「木下地」をご要望の場合には対応させていただきます。

中村建設では、頑強なラーメン構造だけでなく、内部を仕切る壁の性能も十分に考慮した上で、安全・快適な住まいをご提供します。
構造現場や完成現場も公開していますので、実際の建物をご覧になりたい方は、ぜひお問い合わせください。
また、モデルハウスも公開していますので、事前にご予約の上、お気軽にご来場ください。

 

Writer>>>中村建設(株)住宅事業部 家づくりアドバイザー 中村真由美

★★★ フォローして中村建設の魅力をご確認ください。★★★