コロナ禍を経て、住宅業界も他の産業界と同様に大きな転換期を迎えています。

これから家を建てる方にとっては、お得に賢くマイホームを手に入れるためにも、末永く安心して暮らすためにも、住宅業界の現状や課題を把握したうえで住宅会社を選択することが重要です。そこで、住宅業界の最新事情についてまとめました。

 

注文住宅は夢のまた夢?!住宅業界の最新事情

住宅選びに悩む夫婦

コロナ禍以降、住宅の建築費用が高騰し、せっかくのマイホーム計画が頓挫したという人もいると聞きます。しかも、一度価格が上がってしまうとなかなか下がるものではないので、現在も高騰したままの状況が続いています。

特に、木造住宅を手がける地元の工務店や住宅会社では、資材の高騰によって値上げをせざるを得ない状況に陥りました。静岡県西部の住宅業界においても、コロナ前に比べると坪単価を25万円以上値上げした工務店や住宅会社がほとんどです。

そうなると、高収入の人やもともと土地を所有している人しか、注文住宅に手が届かなくなってしまいます。そのため、マイホームをずっと夢見てきた方々の中には、夢を諦めてずっとアパートで暮らす選択をしたり、建売住宅やローコスト住宅を購入したり、中古住宅を購入してリノベーションしたりするケースが増えてきました。

一方、売る側の住宅会社や工務店も、建売住宅やローコスト住宅、規格住宅など、低価格な商品のみを扱う会社と、デザイン・性能ともにハイスペックな高級住宅を中心に販売する会社との二極化が進んでいます。

 

住宅費用高騰のそもそもの理由とは?

では、そもそもなぜ住宅の建築費用がこれほどまで高騰したのでしょうか。

皆さんもご存知かと思いますが、その直接的な原因となったのは、2020年から世界中で猛威を振るった新型コロナウイルスの感染拡大です。ロックダウンの影響で、建材や設備工場が生産をストップしたため、業界全体が資材不足に悩まされました。また、ステイホームの影響でアメリカを中心に住宅ブームが起こり、木造の需要が急激に高まったことから、日本は資材を買い負けし、「ウッドショック」が生じたのです。

もう一つの原因は、「需要」が「供給」を上回ったこと。コロナ禍によって自宅でのリモートワークが増えたのがきっかけで、広くて快適で、音や周囲の視線が気にならない家に住みたいと考える人が増え、戸建て住宅へのニーズが一気に高まりました。しかしながら、前述のように資材が不足したせいで住宅の供給が思うように進まず、必然的に価格が高騰するという結果を招きました。

 

省エネ政策がもたらす影響

脱炭素

それ以外にも、実は政府の省エネ政策が、結果的に住宅のイニシアルコストを引き上げる原因にもつながっています。

昨今、地球温暖化の一因となるCO2排出を抑制するために、カーボンニュートラルに向けた取り組みが世界中に広がっています。日本でも、脱炭素社会に向けて2050年までに二酸化炭素の排出を実質的にゼロにすることを目指す「2020年カーボンニュートラル」の実現に向け、政府や産業界が一丸となって脱炭素化に取り組んでいます。

カーボンニュートラルを実現するには、一般住宅においても、できるだけエネルギーを消費しない生活が求められます。そのため、建物自体の断熱性能や気密性能を高め、省エネを実践できる環境を築く必要があります。

そこで、日本政府は2025年度までに住宅の省エネルギー基準への適合を義務づけ、遅くとも2030年度までにはZEH(ゼロエネルギーハウス)水準まで段階的に引き上げると発表しました。

こうした動きによって、最近の住宅業界では、気密性能を示す「C値」や断熱性能を示す「UA値」などの数値で性能を競い合う「UA値競争」が生じています。

建物の性能を上げようとすればするほど、必然的に建築費用は上がります。その結果、そもそもの価格高騰に追い打ちをかけるように、価格が高騰しているのです。

 

人材不足の影響も見据えた判断が重要

人手不足

さらに、住宅業界では、大工職人や左官職人など、各専門職の高齢化と人材不足が年々深刻化しています。作り手が少なければ、必然的にさらなる価格の高騰を招きます。体力や資本力のない地元工務店は、人手不足が原因で潰れてしまう恐れも…。

家を建ててもらった会社が潰れてしまうと、アフターサービスが行き届かなかったり、完成後の履歴管理をしてもらえなかったりと、さまざまな不都合が生じてしまいます。工務店選びの際は、その会社の安定性や将来性をよく検討することがマストです。

 

今一度、よく考えたい住宅会社の選び方

このように、住宅業界は、特に木造住宅において建築費用の高騰が目立ち、二極化が進んでいます。

ハウスメーカーが建てる木造住宅も軒並み価格が高騰し、中には、当社のような地元企業がご提供する重量鉄骨造の住宅よりも高額なケースも。

しかし、発想を逆転すると、木造住宅の価格がこれだけ高騰しているということは、重量鉄骨造の住宅との価格差が縮まっていることにほかなりません。

地震に圧倒的に強く、寿命が長い重量鉄骨造の家を、高額な木造住宅とさほど変わらない価格で建てられるとしたら、あなたはどちらを選択しますか?

しかも、ハウスメーカーの重量鉄骨造住宅よりもリーズナブルで、土地の条件やご家族の要望に合わせて自由に間取りやデザインを決められる完全自由設計の注文住宅を建てられるとしたら、いかがでしょうか。

住宅業界の現状をしっかりと把握したうえで、木造と重量鉄骨造の家づくりを、安全性、品質、価格、企業の安定性、設計の自由度の高さといった観点からもう一度見直したとき、当社のご提供する重量鉄骨造の家は、そのすべてが備わっているとご納得いただけることと思います。

 

まとめ

このように、コロナ禍のウッドショック以降、特に木造住宅を中心に建築費用が高騰しています。今後、高止まりは期待されるものの、価格がコロナ禍以前に戻るということはほぼ期待できないでしょう。さらに、追い打ちをかけるように住宅の省エネ化が求められ、今後はますますマイホームを建てるのにはお金がかかりそうです。

こうして木造住宅と重量鉄骨造住宅の価格差が縮まる中で、長い目でみてリーズナブルな重量鉄骨造住宅を選ぶのも賢い選択です。詳しいご説明やマイホームのご相談をご希望の方は、お気軽にお問合せください。

 

Writer>>>中村建設(株)住宅事業部 家づくりアドバイザー 中村真由美

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