光熱費が高騰した2023年の冬。なかには1ヶ月の光熱費が10万円近くになったという一般家庭もあり、SNSでも光熱費の高騰が大きな話題になりました。

光熱費対策だけでなく、子どもたちの未来のためにも、私たちは普段から電気やガスを節約し、地球環境に貢献する必要があります。そのためにご家庭で最も有効な手段が、太陽光発電と蓄電池の導入です。一度家が建ってしまうとなかなか決心がつかないものですが、これから家を建てる方はぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 太陽光発電システムで電気代が安くなる仕組みとは

皆さんはもし家を建てるとしたら、電気代をずっと支払い続ける家と、電気代がかからない家のどちらがいいですか?もしくは、停電が起こったときに電気が使えなくて困る家と、停電が起こっても電気を使える家のどちらがいいですか?

・・・・答えは明白。電気代がかからず、停電のときでも電気を使える家ですよね。それを叶えてくれるのが、太陽光発電システムです。では、太陽光発電システムの導入によって、なぜ電気代が安くなるのかをご説明します。

 

<電気がつくられる仕組み>

太陽光発電は、内蔵されている「N形」「P形」という2種類の半導体に光を当てて発電します。プラスとマイナスの電極に挟まれた半導体に太陽光が当たると、内部の電子が太陽光のエネルギーを吸収して動き出すのです。

その状態で、プラスとマイナスの電極を導線で繋ぐと、動いた電子のエネルギーが電流を生み出してくれるのです。
このようにして、

光が当たる→電子が動く→電流を放出する→元の状態に戻る

・・・という状態を繰り返すことで、電力を生み出します。
この現象を、専門的な言葉では「光起電力効果」や「光電効果」といいます。

 

<つくられる電気の量>

では、太陽光発電システムを導入すると、どれくらいの電力が発電できるのでしょうか。太陽光発電協会(JPEA)によれば、設置容量1kWあたり年間約1,000kWhの発電ができると発表されています。

上記の数値は、もちろん、天候や設置条件によって異なりますが、仮に4.5kWの太陽光発電システムを設置した場合、目安として年間4,500kWhの発電が期待できるということになります。4人家族の家庭での平均年間電力消費量は約5,500kWなので、なんと9割もの電力が太陽光でまかなえることになります。

しかも、太陽光発電システムは、「日が長い・短い」「晴れの日が多い・少ない」「雨の日が多い・少ない」「雪の日が多い・少ない」といった地域性によって大きく発電量が左右されますが、私たちの住む浜松市は日照時間の都道府県別ランキングで上位の常連です。つまり、太陽光発電システムを有効に使える「地の利」に恵まれているということになります。

 

太陽光発電のメリット

次に、太陽光発電のメリットについてまとめました。

 

電気代を節約できる

太陽光発電システムで発電した電力を利用することで、家庭で使う電気の一部または全てをまかなえるため、電気代が削減されます。また、太陽光発電システムは、太陽光が当たっている間はほぼ常に発電が行われるため、発電量が安定しています。また、余剰電力を売る(売電)こともできます。

 

「再エネ賦課金」を支払わなくて住む。

再エネ賦課金は、電気代の約10%に相当し、毎月の電気代にその分が追加で含まれていますが、太陽光発電で得た電力を自宅で使用する場合、「再エネ賦課金」を支払わなくて済みます。

 

地球にやさしい

太陽光発電は光さえ当たれば発電できるため、CO2の排出を排出しない再生可能エネルギーであるため、地球環境にやさしい発電方法です。さらに、燃料枯渇の心配もなく、繰り返し発電できる点もメリットです。最近、産業界でもカーボンニュートラルへの取り組みがスタンダードとなっているため、ご家庭でもそれに貢献する暮らしができるのは非常に有意義なことだと言えるでしょう。

 

故障しにくい

太陽光発電はエンジンやタービンといった部品が必要ないので、故障しにくいため、長期間使用できます。特に、太陽電池モジュールは摩耗が少ないため、環境によっては20~30年使用できるともいわれています。最近では、ホコリや汚れが付着しにくい商品も開発され、メンテナンスを頻繁に行う必要もなくなってきました。とはいえ、一般のご家庭で使用する太陽光発電は「4年に1度以上」のメンテナンスが推奨されています。長期間メンテナンスをしないで使うと故障につながってしまうので、定期的な点検を欠かさないようにしましょう。

 

どこにでも設置できる

太陽光発電は太陽光を利用して電力をつくります。この方法は、どこでも設置可能であるというメリットがあります。たとえば、住宅の屋根や庭先、工場の敷地内、ビルの屋上など、さまざまな場所に設置できます。

 

災害時も安心

太陽光発電は太陽の光さえあれば発電できるため、例えば地震や台風、洪水といった自然災害によって電力が一時停止されても、自家発電をして電力を使用できます。万が一災害が発生しても太陽光発電があれば安心して電気が使えるため、避難生活の備えとなります

 

蓄電池と併用できる

太陽光発電で作り出した電力は、蓄電池に貯めることが可能です。太陽光発電と蓄電池を併用することで、梅雨の時期や夜間でも、日中の太陽光で発電した電気が使用できます。

 

小屋裏が涼しくなる

屋根の上の太陽電池モジュールが断熱材の役割をして、屋根裏が温められたり、冷やされたりすることを防いでくれます。

 

蓄電池とは

家庭用蓄電池とは、太陽光発電で発電した電気や電力会社から送電された電気を充電し、家庭で使う電化製品や照明機器をいつでも使えるように開発された家庭用のバッテリーのことです。

冷蔵庫やテレビなど、数時間程度稼働させることができます。

 

蓄電池とセットで導入するメリット

太陽光発電と蓄電池をセットで導入するメリットをまとめました。

 

停電時に多くの家電が使える・夜でも電気が使える

太陽光と蓄電池をセットで設置すると、災害などによる停電時でも各部屋の設備やコンセントから電気を使えます。 太陽光発電だけだと、基本的に一部のコンセントからのみ電気を取り出せるだけで、それ以外のコンセントからは電気を使えません。 一方、特定負荷型の蓄電池を併用した場合は停電発生時に、あらかじめ蓄電池の配線と接続しておいたほとんどの部屋で電気を使えます。

 

さらに「全負荷型という蓄電池を設置すると、全ての部屋で電気を使用することが可能です。

 

電気代をさらに削減できる

蓄電池を併用すると、電気を使用していない時や発電量より消費量の方が少ない時に電気を貯めておけます。あとは、消費電力の多い時間帯に貯めた電気を使えば、太陽光発電の電気を無駄なく使えます。これからは売電量も前ほど高くないので、自分の家でつくった電気を自家消費して使うのが、一番お得な方法です。

■太陽光発電システム6kW・5人家族を想定した発電・消費電力パターン
※イラストの事例についてはイメージで、経済効果を保証出来るものではありません。

 

 

電気自動車を蓄電池として使う方法も!

さらに、これからは蓄電池の代わりに、太陽光発電電気自動車V2Hを導入するのがスタンダードになっていきます。電気自動車は最近種類も増え、より身近な存在になってきています。

電気自動車を蓄電池として利用する場合には、電気自動車から自宅へ給電する機能が備わったV2Hも一緒に導入する必要がありますが、それらを導入すると次のようなメリットがあります。

 

家庭用の蓄電池よりも大容量 

停電時に自宅へ給電できる

 補助金や減税によってお得に購入できる

 電気代をいっそう削減しやすい

 太陽光発電でつくった電気をより有効利用できる

 電気の自給自足が叶う

さらに、蓄電池を車としても使えるので、いっそう便利でスマートな暮らしが叶います。

 

まとめ

太陽光発電や蓄電池は、電気代を抑えることができるだけでなく、地球環境にもやさしいエコなシステム。これからは電気を自給自足し、家計にも、地球環境にもやさしい暮らしが当たり前の世の中になっていくと考えられます。

太陽光発電と蓄電池は同時期にセットで導入した方がお得です。新築時にはぜひ検討してみてはいかがですか。

 

Writer>>>中村建設(株)住宅事業部 家づくりアドバイザー 中村真由美

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