地球温暖化による気候変動に伴い、世界的に異常気象が年々増加しています。ご存知のように、日本でも昨今は、台風や大雨による被害が増加しています。

 

静岡県内においても、2022年7月に生じた記録的な大雨による熱海市伊豆山の土石流災害、さらには、2022年9月に上陸した台風15号による浸水被害や断水などが記憶に新しいところです。特に、静岡市清水区の断水は、完全に復旧するまでに約2週間を要しました。

 

このように、今後は家づくりにおいても、台風や激しい雨、さらには地震などの災害対策をより強化する必要があります。住まいの災害対策としては、太陽光発電や蓄電池を導入することなどが一般的ですが、停電への備えだけでなく、断水への備えもしておかなければ、万全とはいえません。そこで今回は、中村建設がおすすめしている貯水タンクをご紹介します。

 

水の備蓄の重要性

私たちの生活には、水が必要不可欠です。そのため、もしも災害などで断水すると、飲料水や生活用水が不足し、さまざまなリスクが生じます。トイレは使用できなくなり、手洗いや歯磨き、入浴、食器洗いや掃除などに使う水もなくなるため、体を清潔に保つことすら難しくなることでしょう。

 

さらに、成人の場合、体の中の水分率は全体の60%以上で、体重の約10%以上の水分を失うと、生命を維持するのが困難になるといわれています。また、衛生面においても、水のない生活は、健康に悪影響を及ぼす危険性があります。

 

国では、大規模災害に備えて普段からご家庭で1日1人あたり3ℓの水を5日分、つまり1人あたり15ℓの水を備蓄するよう推奨していますが、実際にそこまでの量の水を常に備蓄しているご家庭は数少ないのが現状です。また、大規模災害では、給水車や支援物資が届くまでに3日はかかるといわれているため、それまでの期間をなんとかやりくりしなければなりません。

 

そこで、当社がおすすめしたいのが、貯水タンクの設置です。

 

貯水タンク「マルチアクア」とは

貯水タンク『マルチアクア』は、水道管の一部を貯水タンクに変えるという新発想の商品です。

断水時に必要な水を、新鮮な状態のまま、確保できるので、前述の通り、大規模災害時には、1人あたり5日分で15ℓの水を備蓄しておく必要があるとすると、マルチアクアの60ℓ用を1本導入すれば、家族4人分の水を確保できることになります。住宅用であれば36ℓ用の選択も可能です。

 

設置方法

床下や屋外に、水道管の一部としてマルチアクアを設置するため、通常は単なる水道管として機能します。一方、災害などによって断水の際には、高圧フットポンプで加圧することで、マルチアクアに貯水された60ℓの水道水を、いつも通りキッチンの蛇口、トイレ、お風呂等から利用できる仕組みになっています。

 

貯水タンクの特徴

次に、マルチアクアの特徴を詳しくみていきましょう。

 

場所を取らずに水を蓄えられる

4人家族の場合、5日分で60ℓの水を蓄えておく必要がありますが、60ℓを1本2ℓのペットボトルで用意するとなると、6本入りの段ボール箱が5箱必要です。トイレや洗濯などにも使うとなれば、さらにもっと多くの水が必要となります。一方、マルチアクアは、水道管に60ℓ分の水を蓄えられるため、場所を取らないというメリットがあります。

 

蛇口が使える

ペットボトルで水を蓄えておくと、断水でトイレや浴室、洗濯などに水を使う際、いちいちペットボトルから移し替えなければならず、手間がかかります。一方、マルチアクアの場合は、普段と同じように蛇口から水を出せるので、すべての水回りを平常通り使うことができます。

断水の際には、圧力をかけるだけなので、使い方も簡単です。そのため、災害時だけでなく事故などによる一時的な断水にも効果を発揮できます。

 

安心・安全な水質を保てる

マルチアクアは、水道管の一部を貯水タンクに変換したものなので、通常は常に水が流れています。つまり、断水の直前まで、絶えず水が入れ替わっていることになります。また、高耐久のステンレスとシリコンの二重構造により、断水で利用する際にも、タンクの中の水は空気に触れずに済みます。このような構造と、水道水に含まれる塩素によって、飲み水として7日間安心・安全にお使いいただけます。

 

 

まとめ

昨今は、大災害に備えた危機管理の意識が徐々に高まり、防災グッズを準備しておく企業や各ご家庭が増えました。また、太陽光発電の普及とともに、蓄電池も最近は価格が下がり、以前に比べるとかなり導入しやすくなってきています。

 

しかし、被災時には停電だけでなく、断水も起こる可能性があります。防災グッズとして用意してある水が必要量を満たしていない場合も多く、電気は通じていても、水が足りなくて急場を凌げないというのでは本末転倒です。

 

その点、マルチアクアは、建物にあらかじめ組み込むことによって、大災害によって断水が起きた際にも必要に応じた水の量を確保でき、当面は通常通り水を使うことができます。

 

そのため、当社では新築時の災害対策として、太陽光発電や蓄電池と同様にマルチアクアをおすすめしています。実際に導入していただいた実績も複数あります。

36ℓ・60ℓだけでなくもっと容量の大きなタイプもございますので、詳細は当社にお問合せください。