日本では、1〜2階の低層住宅の場合、木造住宅が全体の約87.6%を占めます(令和4年度「建築着工統計」より)。しかし、内閣府が令和元年に公表した世論調査では、住宅の新築や購入の際に木造住宅を選びたいと回答した人が、この30年間で80%を割り込み、73.6%に減少したことがわかりました。特に、18歳から29歳までの若年層に木造離れの傾向があるという調査結果も出ました。
世論調査では、住宅を選ぶ際に重視する点についても統計が出ていますが、価格以外で重視することの第1位は、「品質や性能が良く、耐久性に優れていること」で、全体の75.7%でした。気候変動によって頻発する災害や、今後想定される大地震などのことを考えると、耐震性や耐久性、省エネ性などを重視する人が増えているのかもしれません。
そこで今回は、実際に当社が設計・施工を行った重量鉄骨造の住宅のオーナー様に、重量鉄骨造を選んだ理由と、建てた後の感想について伺いました。
お客様の声:浜松市中央区S様邸
祖父母様が建てた平屋の家で暮らしていたS様ご家族。しかし、お子様が誕生してから家が手狭に感じられ、家を建て替えることに。新しい住まいは、延床面積が約37.6坪で、重量鉄骨造の2階建て。太陽光発電と貯水タンクを備え、万一の災害時にも避難所ではなく自宅で生活できます。
重量鉄骨造を選んだ理由
―重量鉄骨の家を選ばれたのはなぜですか?
ご主人 静岡県内に家を建てるとなると、やはり一番心配になるのは地震ですよね。地震に限らず、台風にしても、洪水にしても、最近は災害による被害が増えているので、せっかく家を建てたのに、災害で壊れてしまうのは嫌だと思い、とにかく災害に強い家を一番に希望して、重量鉄骨を選びました。
奥様 最初は素人なので木造と鉄骨造の違いすらよくわからなかったんです。でも、住宅会社を検討しているときに色々な説明を聞いて知識が増え、家を建てるなら頑丈で地震に強い重量鉄骨造の家がいいな…と思うようになりました。
―実際に重量鉄骨造を建ててみたご感想は?
ご主人 重量鉄骨造を選んだことによって、建物自体の強度や安全性は確保できたため、万一の災害時に避難所生活をしなくてもいいように被災時の水と電気も確保しようと思い、太陽光発電と貯水タンクを設置しました。貯水タンクは、中村建設さんでも一般住宅に導入するのが初めてとのことでしたが、総合建設会社なだけあって、排水設備などもしっかり工事してもらえたので、やっぱり中村建設さんにお願いしてよかったな…と実感しました。
また、重量鉄骨造なので無駄な柱や壁が無く、空間を広々と確保できたため、ピットリビングを採用してゾーニングを図り、動線も明確化させました。ピットリビングを採用した結果、天井が高く感じられて開放感があるし、友人たちが遊びにきたとき、段差に座ってくつろげるので重宝しています。段差によっていっそう落ち着きが感じられ、どちらの両親にも好評です。
お客様の声:浜松市中央区Y様邸
お子様が小学校に入学するタイミングで、広い敷地にマイホームを構えたY様。新居は重量鉄骨造の平屋で、延床面積は約33坪。建物の中央には小上がりの和室を配置し、室内全体に回遊できる動線を確保したことにより、家事ラクで快適な平屋暮らしが実現しました。地盤が盤石な三方原台地上の敷地であること、頑強な重量鉄骨造であること、構造的な安定感を得られる平屋建てであることと、地震に強い条件が十分に備わっています。
【重量鉄骨造を選んだ理由】
―重量鉄骨の家を選ばれたのはなぜですか?
ご主人 第一に、構造がしっかりしているからです。私たちの敷地は三方原台地に位置し、地盤も盤石ですが、これから先ずっと住むことを考えると、建物自体がしっかりしていたほうがいいと思って重量鉄骨造に決めました。計画当初は木造でもいいと思っていたのですが、いろいろ勉強していくうちに、家は骨組みがしっかりしていることが肝心だと思うようになったんです。
それに、私見かも知れませんが、古い木造の家は屋根や建物が傾いているように見えるんです。昔の家は屋根に重たい瓦を乗せていたので、余計にそう感じるのかもしれませんが、ずっと住み続けるならやはり骨組みの頑丈な重量鉄骨造がいいと思う気持ちが強くなりました。地震に強ければ耐久性にも優れているはずだし、末永く安心・安全に暮らせますよね。木造住宅を建てる会社はSNSや住宅情報誌を通じていろいろな情報を発信していますが、宣伝力に惑わされず、耐震性・耐久性を最優先に考えて決めました。
―実際に重量鉄骨造を建ててみたご感想は?
ご主人 重量鉄骨造は確かに木造に比べて高いけれど、長い目で見ると一概に高いとは言えないと思います。実際に、ずっと住んでみないとわからないんじゃないかな。メンテナンス性や、耐震性など、全般的にみて逆に木造よりも得かもしれないですよね。
しかも、我が家は重量鉄骨の平屋なので、台風が来たり強風が吹いたりしてもびくともしないんですよ。台風が来ると木造の家は強風で揺れることがあるけれど、そういうことは全くありません。家の前をトラックが通っても揺れないし、造りがしっかりしていることを日々実感します。万一地震が来ても大丈夫だという安心感が常にありますね。
それに、家の中にいると外の音が気にならず、すごく静かなんですよ。LDKはエアコン1台だけで夏も冬も快適だし、結露もほとんどありません。毎日安全・快適に暮らすことができ、しかもその状態を末永く維持できるということを考えると、長い目で見て非常にお得な買い物だったと思います。
お客様の声:浜松市中央区H様邸
Y様の新居は延床約37.6坪の重量鉄骨造の2階建て。ご主人の念願のビルトインガレージ付きで、ボックス型のスタイリッシュな外観がインパクトを放ちます。吹き抜けのLDKには大開口から光が注ぎ、明るく開放感あふれる空間が実現しました。
【住まいの性能に対するご感想】
―重量鉄骨の家を選ばれたのはなぜですか?
ご主人 静岡は東海地震や南海トラフ地震の際に大きな被害が出ると予測されているので、家を建てるなら、まずは地震に強い家であることが絶対条件でした。我が家の周辺には親戚の家が集まっているので、万一地震が来たらみんなをこの家に呼んで、避難所で生活しなくても生活できるようなシェルター的な家にしたいという思いが強かったんです。だから、木造よりも断然地震に強い重量鉄骨造の家を選びました。また、重量鉄骨造の家はスパンを広く取れるので、広い空間や吹き抜け、そして大きな窓を設けられることにも魅力を感じました。
―実際に重量鉄骨造を建ててみたご感想は?
ご主人 重量鉄骨造の家は地震に強いことはもちろんですが、空間も広く確保できるので、やはり総合的にメリットが大きいと思います。これから先、家族構成もライフスタイルもその都度変わっていくと思いますが、柔軟性や可変性にすぐれた家にしたので、将来的にも必要に応じて模様替えをしながら、安全・快適に暮らしていけるのではないかと思います。
重量鉄骨造の家は、高額で手が出ないとお考えの人も多いかと思いますが、中村建設さんの重量鉄骨造の家は、ハウスメーカーの重量鉄骨造住宅よりも割安です。実際に、あるハウスメーカーで簡易的に見積もりを取りましたが、中村建設さんに比べるとかなり費用が高かったです。しかも、中村建設さんの重量鉄骨造には厚さ9〜12mmもの鉄骨が採用されていて、基礎も頑強に造られているので、選んで良かったと思います。
まとめ
このように、重量鉄骨造の家を選んだ一番の理由は、3家族とも「地震に強い」ことでした。
鉄骨は非常に強靭であると同時に、柔軟性も持っています。地震の際に、建物は振動や揺れにさらされますが、鉄骨はこれに対して柔軟に変形し、建物全体を支えることが可能です。そのため、地震の力に対して安定性を保つことができます。
それ以外にも、重量鉄骨造の家を建てるメリットはまだまだあります。
大空間や大開口が可能
鉄骨構造は柱や梁が細くても強度があり、これによって柱や梁が少なくても大空間を作ることができます。そのため、広々としたオープンスペースや大きな窓を実現しやすくなります。
長寿命
鉄骨は腐食しにくく、耐久性が高いため、建物の寿命が比較的長いです。そのため、木造や軽量鉄骨構造よりもメンテナンス費用を抑えられます。
防火性の高さ
鉄には耐火性があり、火災の際に建物が崩壊しにくいのも特徴の一つです。そのため、火災による損傷を最小限に抑えることができます。
リノベーションがしやすい
鉄骨構造は柱と梁の組み合わせで構成されており、これによって内部の壁を比較的自由に配置できます。これは将来的なリノベーションやレイアウトの変更がしやすくなります。
重量鉄骨造はアパートやマンション、商業施設などの大規模な建物に用いられる構造だというイメージが強いですが、平屋や2階建ての一般的な注文住宅でも採用されるケースが増えてきています。木造住宅に比べて建築費用は割高のように感じても、耐震性や耐久性、メンテナンスの平易性のことを考えると、長い目で見れば決して割高とはいえません。いずれにしても、マイホームは一生に一度の買い物ですので、家づくり計画の際には、まずは構造からしっかり検討するようにしましょう。
Writer>>>中村建設(株)住宅事業部 家づくりアドバイザー 中村真由美
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