はじめに、令和6年能登半島地震により被害に遭われた皆さまへ、心からお見舞い申し上げます。

新年の幕開けの日に、能登半島を襲った大地震。現時点で、石川県内の住宅被害が2万1411棟にのぼることが明らかになりました。しかも、倒壊を免れた建物を対象に実施された応急危険度判定では、建物の約35%が立ち入り禁止の「危険」と判定されています。

全国被災建築物応急危険度判定協議会によると、「危険」の割合は、阪神淡路大震災が約14%、東日本大震災が約12%、熊本地震が約27%だったのに比べて、能登半島地震はこれらを上回っていることがわかります。

それは一体なぜなのでしょうか。
理由は主に3つあります。

 

第一に、震源が浅かったこと。今回の震源の深さは16kmで、これは阪神淡路大震災の深さと同じです。

第二に、揺れの周期の間隔が1秒〜2秒という、家屋が倒壊しやすい間隔だったこと。東日本大震災は、家屋が倒壊しやすい1秒〜2秒間隔の揺れが少なかったため、地震の規模ほど建物の被害は多くありませんでした。しかし、今回の地震や阪神淡路大震災は、1秒〜2秒間隔の揺れが非常に強かったため、建物の被害が甚大になったといわれています。

 

そして第三に、築年数がかさんだ木造住宅の家屋が多かったことが理由です。

ちなみに、商業や工業用の建築物は鉄骨造が多いため、被害は比較的少なかったといわれています。

では、なぜ重量鉄骨住宅は地震に強いのでしょうか。その理由を詳しくご説明します。

 

 

鉄骨造とその種類

鉄骨造とは、建物の骨組みに鉄骨を用いた構造のことです。
鉄骨造は、建物に使う鋼材の厚みによって、「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」に分類されます。

鋼材の厚みが6mm未満の鉄骨造を「軽量鉄骨造」、6mm以上の鉄骨造を「重量鉄骨造」といいます。

実際にどのくらい厚さが異なるのか、写真で比べてみましょう。

左が軽量鉄骨、右が重量鉄骨の柱の断面です。断面で見ると、厚さの違いが歴然です。
この違いが、地震力に耐える強さにも関わってきます。完成してしまうと見えない部分ですが、地震に強い安心安全な建物を作る大事な部分です。

 

さらに、柱の厚さの違いはもちろんですが、重量鉄骨造と軽量鉄骨造とでは柱の大きさにも差があります。次の写真を見比べてみましょう。

▲軽量鉄骨の柱

▲重量鉄骨造の柱

写真からもおわかりのように、重量鉄骨造の柱の大きさは軽量鉄骨造の柱と比べて倍以上あります。

 

 

重量鉄骨造と軽量鉄骨造、どちらが地震に強いの?

前項で記載の通り、重量鉄骨造と軽量鉄骨造では柱の厚みと大きさが異なります。
軽量鉄骨造の柱の厚みは3㎜~4㎜に対して、重量鉄骨造の柱の厚みは9㎜~14㎜あります。これだけ厚みが異なると、地震の揺れや熱が加わった際、双方の性能に大きな差が生じます。つまり、重量鉄骨造と軽量鉄骨造を比べた場合、重量鉄骨造が軽量鉄骨造よりも圧倒的に耐震性に優れていることになります。

また、柱の厚みが薄いと、熱や揺れで曲がってしまう可能性があるため、注意が必要です。軽量鉄骨造を取り扱っている業者さんから「重量も軽量も同じ鉄骨造だから耐震性もほとんど変わりませんよ。」と説明をされることがあるようですが、肉厚によって耐震性が大きく変わりますのでご注意ください。

次に、軽量鉄骨造と重量鉄骨造のそれぞれのメリットとデメリットをご紹介します。

【軽量鉄骨造のメリット〇・デメリット×】

〇:柱型が室内に出てこないのでスッキリした印象に。

〇:地震保険、火災保険が木造に比べて安い。

△:建築コストが重量鉄骨造に比べて安い。(=使用している鉄骨が少ない為、鋼材費が安い。)

×:重量鉄骨造に比べて柱が細い為、耐震性が劣る。

×:税金の評価額が重量鉄骨造とほぼ同じ。(=耐震性が重量鉄骨造より劣るが、評価が同じという点では割高)

 

【重量鉄骨造のメリット〇・デメリット×】

◎:軽量鉄骨造に比べて耐震性が高い。

〇:地震保険、火災保険が木造に比べて安い。

〇:税金の評価額が軽量鉄骨造とほぼ同じ。(=耐震性が軽量鉄骨造より高いが、評価が同じという点では割安)

×:柱型が室内に出てしまう。

×:建築コストが軽量鉄骨造に比べて高い。(=使用している鉄骨が多い為、鋼材費が高い。)

 

このように、両者を比較してみると、重量鉄骨造の方が軽量鉄骨造よりも耐震性が高く保険料や税金の面で見てもリーズナブルであることがわかります。
ただし、鉄骨造と木造を比べると、鉄骨造は固定資産税の評価額が落ちにくいといわれています。その理由は、鉄骨造が耐震性に優れているためです。しかし、軽量鉄骨造の場合は、木造の制振装置付きと大して耐震性が変わらないのにも関わらず、固定資産税の評価額が下がりにくくなります。そうなると、同じ鉄骨造でも軽量鉄骨造の方が損しているような気持ちになりますよね。

建物の本体の価格の差だけを考えるのではなく、トータルコストを見て考えることをおすすめします。

 

重量鉄骨造住宅の特性

今度は、重量鉄骨造について詳しくみていきましょう。

重量鉄骨造は、鉄骨の柱と鉄骨の梁をボルトで接合し、「ラーメン構造」と呼ばれる頑強な骨組みを形成します。そのため、基礎と骨組みが頑丈で、地震に強いのが最大の特徴で、ビルやマンション・不特定多数の人が集まる商業施設などで主に採用されています。

また、大空間・大開口を確保でき、より自由度の高い住まいを実現。
平屋や2階建てはもちろん、3階建てや4階建てにも対応できます。
例えば、「狭い敷地や変形した敷地」や「街中で敷地を最大限有効活用して建てたい」「1階部分を駐車場にして2階・3階を住居スペースにしたい」など、狭小地を有効活用できるのも大きなメリットです。

また、近年に起こった地震を振り返ると、本震クラスの震度5以上の余震が起こるケースが多く見受けられます。今回の能登半島地震でも、地震発生後に大きな地震が断続的に起発生しました。気象庁によると、大地震の発生から10日間が過ぎた1月10日午前8時時点で、震度5弱以上の揺れは16回、震度1以上は1285回観測されています。

住宅の中には、1度目の大きな揺れに耐えられたとしても、2度目に本震クラスの余震が起きたのが原因で倒壊する建物もあります。また、東日本大震災のときのように、大地震の発生後も数年にわたって大きな余震が起こるケースもあります。
こうした「繰り返しの揺れ」に耐えられる建物としても、最近では重量鉄骨造の建物が注目されるようになりました。

また、以前は、軽量鉄骨造の住宅で耐震性は十分といわれていましたが、ハウスメーカーさんで建てた軽量鉄骨造の建物が熊本の震災で倒壊したケースもあり、「プラスαの安心を買うなら、やっぱり重量鉄骨造」と、当社にお問合せくださるケースが増えております。

 

浜松で重量鉄骨造住宅を建てるなら、中村建設がおすすめ!

中村建設では、重量鉄骨造の3階建て住宅や店舗付き住宅を数多く手掛けています。総合建設業として、これまでにビルやマンションを数多く建設してきた経験と技術力があるからこそ、重量鉄骨造の一般住宅も安心してお任せいただけます。

中村建設が手掛ける重量鉄骨造住宅は、「重量鉄骨造住宅は価格が高い!」というイメージを払拭し、若い世代のご家族にも気軽に地震に強い重量鉄骨の家をご検討いただける点が大きなメリットです。当社の重量鉄骨造住宅のコストパフォーマンスが良い理由として、次のようなポイントが挙げられます。

中村建設の重量鉄骨造住宅のコストパフォーマンスが良い理由

中村建設が手がける重量鉄骨造住宅のコストパフォーマンスが良い最大の理由は、次の3つです。
①広告宣伝費をあまりかけないこと
②少数精鋭で業務を行い、無駄な人件費をかけないこと
③シンプルでわかりやすい価格設定

上記のように、中村建設では総合建設業としてのノウハウを活かし、構造、設計、施工の改良を重ねた結果、ハイスペックでコストパフォーマンスの良い重量鉄骨造住宅を実現しました。

最近では、コロナ禍に生じたウッドショックの影響で木造住宅の価格が高騰したのに加え、円安や燃料費の高騰によって物価高が進み、木造住宅の建築費用は年々高騰しています。
さらに、昨今、カーボンニュートラル2050の実現に向け、住宅の性能が強化されてきたため、これまでよりも性能にかける費用が増えてきています。

そのため、地震に強い鉄骨と木造のハイブリッド構造で、パッシブデザインや性能を強化した住宅を建てる工務店さんの中には、坪単価100万を超える会社も出てきました。
これまでは、重量鉄骨住宅は木造住宅よりも建築費用が高いため、「どんなに地震に強いとわかっていてもなかなか手が出ない」という傾向がありましたが、最近では、ハイスペックな木造住宅と当社のご提供する重量鉄骨住宅との価格の開きがどんどん縮まりつつあります。

 

 

 

まとめ

鉄骨造には「重量鉄骨造」と「軽量鉄骨造」の2種類があります。
柱や梁などの躯体部分に鉄製や鋼製の部材を用いた建築物のうち、鋼材の厚みが6mm以上の鉄骨造は重量鉄骨造と呼びます。
木造や軽量鉄骨造に比べて構造の費用が高く建設費が上がってしまうことがデメリットとして挙げられますが、安心安全のために強い骨組みにお金をかけ、家族を守る家を作るという選択をされる方が増えています。

あちこちで地震が多発しているなか、安心して住める建物として重量鉄骨造を検討される方が増えております。地震に強い重量鉄骨造住宅はビルやマンションで採用される工法で「不特定多数の人が集まる場所」で採用される安心安全な構造体です。

重量鉄骨の家の内装

Writer>>>中村建設(株)住宅事業部 家づくりアドバイザー 中村真由美

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